多職種が協力し合わなくては手厚い介護は難しいかもしれません。医療の側面では医師や看護師との連携が欠かせませんし、介護の現場では介護士やケアマネージャーが協力しなければなりません。また、その他にも地域の民政委員の助言や情報提供が必要になってくることもあるので、それぞれの専門知識を活かして、一人ひとりの利用者をケアする必要があります。
ただし、多職種同士が互いに協力し合うことは、容易なことではありません。各分野のエキスパートがスムーズに連携を図るためには、思考スキームを意識することが大切です。思考スキームとは、自分の考えを整理し、操作するために必要なことであり、事実とそれを判断するための価値基準、そしてその事実に対しての働きかけから成り立ちます。そして、多職種が協力するためには、この3つの考え方を共有することが重要になります。
なぜなら、この3つ共有しておかなければ、トラブルが起きた時に連携が取れず、行き違いが起こってしまいかねないからです。個人的な行き違いだった場合は、たいした問題にはならないかもしれませんが、介護の現場においては重大な事故につながることもあります。ですから、考えや行動に対する認識を常に摺り合わせて、緊急時にも迅速な対応を取れるようにしておく必要があるのです。これは、介護の現場に限ったことではないかもしれませんが、人の命をあずかる職業に就いている人には欠かせないことなのです。